企業の融資と、個人の借り入れは、何が違うのか?

一般に、企業が事業資金を借りるような場合や、個人が住宅など高額の買い物をする時は「融資」という言葉が使われることが多いです。ここで共通するのは、信用保証の有無ではないでしょうか。事業資金の借入の場合、預貯金や、不動産などを担保に差し出したり、保証人をつけたりします。住宅ローンや、自動車ローンの場合は、購入した不動産や自動車(自動車には、登録制度があり、財産上は不動産と同じ扱いとなっています)に、担保を設定することがほとんどです。
しかしながら、お金の貸付という意味では、どちらも、同じく「借金」です。
企業の融資の場合、運転資金目的での借り入れは、一度に大きな金額を借りて返済するのではなく、何度かに分けて、借り入れと返済を繰り返す形がほとんどです。これに対して、一般の個人に対するローンなどは、一度に大きな金額を借り入れて、長期間にわたって少額ずつを返済していくという形がほとんどで、この形態の違いが名称の違いにもつながっているのかもしれません。
他方、消費者金融や、クレジット会社の場合は、1回の借り入れ金額は1,000円というような場合もありますが、返して借りてを繰り返すことが可能ですから、「融資」という名称を用いることになるのでしょう。
また、貸付の場合は使途目ていが限定されている場合が多く、対する融資は「資金を融通する」という名の通り、おおむねの方向性は決まっているものの、細かいところまでは問わないであるとか、あるいは、全く問わないということが見受けられます。貸付が、目的外の用途に資金を使われないように規制されるのに対して、融資は若干の幅を持った資金の提供ということになるかと思います。

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