こんなに危ない！車融資の落とし穴。業者が語る、車融資の裏事情

「車融資、っていうのはあこぎな商売ですよ。」と語るのは、Ｄさん（４０代男性）表向きは中古自動車販売を看板にしているが、裏の稼業は「車融資業者」だ。車融資とは、自動車を担保にした融資のこと。車両を預けるタイプと、車両使用を続けつつ融資を受ける「乗ったまま融資」の２種類があり、Ｄさんは、そのどちらも扱っている。
金融業の看板を上げていないのは、実はカラクリがあって、車融資は口コミ等の紹介ルートからのみ受け付けている。消費者金融業者の登録はない。だから、貸金業を営んだら、一発で摘発対象になってしまうのだが、「そうならないように、車金融をやっています。」という。意味がよく分からない、と伝えると、笑って「車金融、といっても、書類的には中古車の下取りと、リースになっているんです。だから、金融業者としての登録は要らないし、違法性の証明もしづらい。」と教えてくれた。
手順はこうだ。融資希望者が車を持ち込むと、まず、車両の査定を行う。車預かりの場合は、乗ったまま融資と比べてやや、査定が良い。乗ったまま融資の場合は、本来の中古車価格から比べたら「ほとんど二束三文」な価格で、所有権移転同意書なる書類に印を押してもらう。つまり、一旦、中古車販売業者にマイカーを売り渡した形になる。融資される額は、実質的には車の売却代金なのだが、これが、普通に中古車として下取売却したときよりは確実にかなり安い。
その上で、乗ったまま融資は「リース料」名目で、車預かりは「保管料」名目で、毎月返済を行う。
このリース料ないし保険料には、所有権移転の手数料や印紙代といった、本来の売却には必要ないものも含まれているし、完済した場合は、所有権を元に戻すために、更に手数料を別途請求されることも多い。
ここまでの説明からふと、気になって利息について尋ねてみた。関係ない、と、Ｄさんは笑って「表向きは、中古車の下取りと同じですから。ただし、一定期間リース契約や、保管契約を結んで、返済ではなく、お支払をしてもらっているってことです。貸金業じゃないですからね。」
と、いうことは、利息換算すると、相当な高金利になるようだ。Ｄさんのしているところでは３０％以上の利息を載せて営業しているところもあるという。
「返済が滞った場合はどうなりますか？」の問いには、「もちろん、担保流れです。つまり、預かっている車を私のものにしていただくか、載ったままの場合は、期限を限って引き取りにいきます。所有権移転をしてありますから、こちらに引き渡さない場合は、色々と手段はありますから。」と、ここは企業秘密とやらで言葉を濁したが、盗難届けを出すなど、ちょっと大げさな方法もとる模様。
話を聞いてみると、ヤミ金並みの荒っぽい貸し方だと思う。Ｄさん曰く「客は、ほとんど多重債務者。判断力が鈍っているから、９割担保流れ。」というから恐ろしい。大手でないところの利用は避けたほうが無難のようだ。