無担保融資はなぜ、利息が高い?担保と金利の関係を学ぼう

消費者金融の広告にはよく「無担保」の記載がありますね。一方で住宅ローンなどの不動産融資には必ず担保設定が不可欠です。一般に消費者金融は銀行よりも金利が高いことは知られていますが、では、なぜ、無担保融資だと金利が高くなるのでしょうか?「借金のカタがあるから、その分金利をオマケしてくれてるんじゃないの?」なんて返事が聞こえてきそうですね。間違いでは在りませんが、それでは説明充分とはいえません。
無担保融資は、なぜ、有担保融資よりも金利が高いのか?それは、「保証」としての担保の性格と、債権者となる金融機関の経営形態が大きく関わっています。
そもそも、融資は、「必ず返済してもらえる」ことを前提としている金融商品です。利用者である債務者が返済を行うことで、利息の分が債権者の利益となります。利息と返済期間だけを考えた場合、長期ローンはその収益が長期間に渡り、更に貸付金額そのものが大きいですから、収益の額も大きい、ということになります。その代わり、10年から30年という長期間、安定的に返済が続かなくなるリスクも、短期の貸付よりは大きいというデメリットを持っています。担保をとる、一つの目的は、こうしたリスクを小さくするためでもあります。万一、返済が滞った場合は、担保を差し押さえて換金することで回収ができるというわけです。
他方、ノンバンクが行っている短期融資は、多数の債務者を相手に少額の取引を頻繁に行うことで、回転率を上げて利ザヤを稼ぐという性格の取引です。貸し倒れのリスクを小さくするために、高額の貸付は避け金利を高めに設定し、滞納に対しては厳しく対処して回収を行います。
また、契約時に遅延損害金を設定することで、滞納時のリスクを小さくしています。回収するまでの期間が短いため、担保設定登記などの事務負担、手数料負担は煩雑でもあり、短い間に担保設定登記と解除登記を繰り返すというのは現実的でもありません。
つまり、無担保融資の金利が高いのは、返済が滞ったときの保険的な性格と、小規模な取引を繰り返すという取引形態から、得られる収益を大きくする目的があるのです。

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