生活苦の高齢者に差し伸べられる愛の手はあるのか 高齢者融資の現状

融資を受ける人の大半は20代から40代と言われていますが、この不況で高齢者が融資を申し込むケースも多くなっています。融資に年齢の上限は設定されていませんが、融資可能年齢はだいたい20歳から65歳までと言われています。
融資を受けるためには様々な条件があります。融資申し込みの流れとしては申込書に記入したあと仮審査を受け、問題がなければ必要書類を提出し本審査を受けることになります。銀行の場合は金利が低い分審査は厳しくなり、保証人や担保が必要となる場合もあります。消費者金融の場合は審査に問題がなければその日のうちに現金を手にすることができます。しかし、現在は消費者金融と言えども審査は決して甘いわけではありません。不況のあおりを受け、債務不履行者が増加したため消費者金融とはいえ、貸付に対しうてとても慎重になっています。キャッシング会社はボランティアではありませんので返済の見込めない相手にお金を貸したりしません。
融資審査で最も重要なのは収入です。会社は安定した収入がなければお金を貸しません。そういった意味ですでにリタイアした高齢者や働きたくてもなかなか定職につけない高齢者は十分な年収があるとは言い難く融資を受けるのは難しくなります。年収のほかにも勤務先や勤続年数もチェックされますので、たとえば年金だけで生活している高齢者に返済は見込めないと判断されます。
また融資を必要とする高齢者の多くが過去に複数のキャッシング会社から融資を受けた経験があり、そこでクレジット事故や返済の遅れなどがあると審査が不利になります。こうした借入歴に関する情報は信用会社を介して全てのキャッシング会社が共有しています。その情報は数年間保存されることになります。
他にも高齢者は高齢ゆえに意思の疎通があいまいであったり、痴ほう症などの病気であったり、契約時の意思確認が困難な場合があります。またあとで家族に意思確認ができないことを理由に融資の無効を訴えられたりします。こうしたリスクを避けるために会社は高齢者に融資を行うことに消極的です。
しかしながら実情は生活に困っている高齢者は多く、再就職も見込めず収入のあてもなく路頭に迷っているのが大多数です。生活保護を受けている高齢の困窮者が年々増加しているのが現状で高齢者に対する融資なども含め行政の対応が求められています。

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