闇金の「押し貸し融資」とは?急増する、複雑化した新たな詐欺手口
「押し貸し融資」とは、近年急増している、振り込め詐欺の新しい手口です。従来の振り込め詐欺は、最初に電話などで何かの理由をつけて、「指定口座にオかなを振り込んでくれ」と誘導するのが発端でしたが、押し貸しは、ここが全く違います。多くは「ある日突然、自分の口座に身に覚えのない振込みが入っていた」が、発端となります。金額は大したことはなく、2、3万円程度が多いようです。
入金に気づかず放置したり、引き出して使ってしまうと、頃合をを見計らって「ネット申込をいただいた融資について、指定口座に確かに振り込みました。返済は○日から、月々○万円でお願いします。」と、振込先を指定してきます。これが、入金額に必ず大幅な上乗せをされた金額を借りたことになっていて、手数料なども上乗せされ、利息も違法な高利となっていることがほとんどです。慌てて、「間違いだから返す。」と言っても、「契約書はPDFで送ってある、入金を受け取ったのだから、借り入れを認めていることになる。取り消しは出来ない。」などと強硬に入金を迫ります。
一度「返済」を始めてしまうと、相手の言うところの融資を認めたということになり、騙されていると気づくまで返済を続けてしまうことになります。気づいたときには、既に相手は逃げた後、という状況で、全く顔を合わせないまま騙されてしまう、というところは振り込め詐欺と同じです。
こうした「押し貸し」と思われるような、怪しい入金があったときは、まず、そのお金には手をつけず、すぐに、銀行に「間違った入金があったようだ。相手先を調べて欲しい。」と申し入れておきましょう。銀行は、こうした問い合わせがあった場合あ、窓口行員の錯誤の可能性も含めて必ずすぐ確認を行ってくれます。
個人情報保護の関係で相手方の氏名と、振込みを行った支店名やATMまでは教えてもらえます。その段階で「間違いだから、相手側に返還して欲しい。」という申し入れを行っておけば、銀行から相手方へ連絡を取ってもらえます。並行して警察にも電話などで相談を行いましょう。警察が即座に対処してくれるとは限りませんが、「相談した」という事実を作っておくことが必要なのです。銀行から連絡がつけば、お金は誤入金として返還処理をしてもらえます。コレで、一件落着です。
もしも、気づかず引き出してしまって、手元に現金がなくなってから、詐欺相手から電話が入ったら「パチンコで使ってしまった。」などとギャンブルを理由に当座の時間稼ぎをして、すぐに銀行に事情を説明して、誤入金であると申し入れてから、すぐに、弁護士など、法律の専門家に相談をしましょう。
このような「押し貸し」の被害に遭わないためには、普段からこまめに口座の記帳を行って、入出金の履歴をチェックしておくことも大切です.