更地と上モノつきではどっちが高い?土地担保融資と評価額

土地を担保物として提供することで、融資を受けるのが、「土地担保融資」です。土地を担保にする場合も、基本的には他の不動産融資と同様に、土地の評価が高いほど、受けられる融資の限度枠は高くなります。
目安として、しばしば使われているのが国が公開している「路線価」です。これでいくと、非常に大雑把な言い方ですが「首都圏の宅地のほうが、辺境の山林より高い」ということになります。通常、宅地は山林よりも評価額が高いはずですし、都心部に近い人口密集地のほうが、田舎の放棄林より利用価値が高い、と言う判断になるはずです。
ところが、そう単純ですまないのが実情で、土地の場合、評価の実際は建物よりもかなり複雑になっています。建物の場合、築年数や構造など、ある程度減価の目安になる指標が相場とは関係なく存在していますが、土地にはそうしたものがありません。近隣の開発状況、国の経済活動の活発化などで、価格相場が激しく変動することもあり、路線価も一定ではないのです。
土地の評価額を変化させる、もう一つの要因が「上モノ」の有無です。土地は普通、何かしら上に乗っかっていることが多いもので、全くの更地ということは珍しいのが普通です。まして、宅地で家がなくなっているというケースは非常に稀だと言えます。
山林などでは、通常樹木や雑草が生い茂っていますし、農地でも、ビニールハウスや、果樹、棚、支柱など、半恒久的な建造物があって、簡単には動かせない場合があります。利用形態が田んぼであったりすると、水が溜まりやすい土壌であることから、評価が下がる場合もあります。これらのものは、土地のみの評価を考えた場合減価の対象となり、下手をすれば、「築百年以上の、老朽家屋が敷地一杯に建っている宅地より、キャベツ畑のほうが価値が高い」ということも、ないとは限りません。更地で、売却後の「後片付け」が少なければ少ないほど、評価は上がる、と考えてよいでしょう。

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