新規就農者の強い味方、認定農業者以外も対象の農業融資とは

少子高齢化が非常な勢いで進行している日本で、深刻な局面を迎えているのが、農業人口の減少と、担い手不足の問題です。近年では、地方都市の中山間部では、住民の65歳以上高齢者率が30%以上の過疎地が増加しており、働き盛り世代の都市部への流出に歯止めがかからず、農地は会っても耕作者がいないために荒廃していくという減少が社会問題となっています。
一方で、農家の出身ではないけれど、農に強い関心を持ち、自ら営農をしたくて地方へ移り住んでくる若者や、それまではサラリーマンとして活躍してきたが、第二の人生を農業者として送りたいという志で、定年退職をしてから、地方に土地を買い求めて新規就農をなさる方もいらっしゃいます。
こんな場合、農地を借りたり購入に踏み切るのにも、資金が必要となります。また、広い農地を人力、夫婦二人だけで管理するのはほとんど不可能ですから、農業器機の購入が必要になってきます。
また、既に農業経営を行ってきた方にも、農業施設であるビニールハウスや、パック詰めなど行う作業所の補修や建て替え、田んぼや畑の改良などのために、まとまった資金が必要になることもあります。
これらに必要となる資金は、高額になりますし、農地は宅地と比べると担保価値が小さいため、一般の銀行などから土地担保融資を受けることはしづらいといえます。また、農業という仕事は、天候に作物の出来不出来が大きな影響を受けるという特徴があるため、収入も安定しないという特徴があり、これも安定収入を前提とする借り入れには不向きな要素となっています。公的な助成制度もあるものの、それだけで資金を賄えないような場合は、どうしても借り入れが不可欠となってきます。
こんな場合の融資を行っているのが、JAバンクや、地方の信用組合などです。JAではアグリマイティー資金と呼ばれる、何種類かの融資商品を提供しています。
アグリマイティー資金を例に取ると、JAの組合員であって、営農または農業従事者で、この他にJAの定める基準を満たしている人が借り入れることが出来ます。認定農業者でなくても、利用することは可能です。
基本的に、融資の目的は、農業にかかわる資金です。農業を機軸とした地域活性化資金の借り入れにも対応しています。借り入れ期間は1年未満の短期と、10年以上の長期があります。金利は変動金利を選択することもでき、担保については、個別に相談対応、という柔軟な体制を取っています。
これらは、農業者にとって、心強い融資先であるといえるでしょう。

閉じる