途上国向け支援、少額融資(マイクロクレジット)が、世界を結ぶ!

日本での「5,000円」といえば、4人家族の1ヶ月のお米代程度の金額でしょうか。一月の家族全員の携帯電話料金にも足りない、ごく少額になるお金です。しかしこれが、発展途上国となると、5,000円は大金に様変わりします。為替の差益だけでなく、信用力のない国にとって、「円」は非常に大きな価値のあるものなのです。この特徴を途上国支援に結びつけたのが、「マイクロクレジット」とも呼ばれる少額融資です。発展途上国の起業家を、日本で言えば「少額」の融資を行うことで支援することで、貧困の解消を推し進めるというちょっと風変わりな国際協力の一つとも言えるもので、1980年代より次第に発達してきました。有名なのが、ノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行の例です。
経済的に貧困な農民や、小規模な事業を行う事業主は、ごく少額の設備投資や仕入れの資金にも事欠く状況にあることが多く、これが、かえって貧困を解消できない原因であるとして、当時のグラミン銀行頭取が、始めたのがこの制度のスタートだといわれています。その後、本格的に国が後押しするプロジェクトとして、1980年代に広まり始め、現在では世界銀行がこの、グラミン銀行方式を取り入れた支援方式を採用しています。この功績により、グラミン銀行頭取であった、ムハマド・ユヌス氏は2006年にノーベル平和賞を受賞しています。
先進国をはじめとした、世界各国の小口の「融資」は、現地の「マイクロファイナンス機関」といわれる銀行に集められて、ここから、融資希望者に貸し出されます。
日本でもこの、少額融資に参加できるサイトとして、「KIVA」があります。日本円にして、約2,000円ちょっとの融資を貸し付けることで、現地のマイクロファイナンスと言われる銀行が、取りまとめて、日本円で言えば2万円~7万円程度の貸付を、融資希望者である現地の起業家に貸し付けます。グラミン銀行の行ったバングラディシュでの事例では、申込者は女性が8割にも上り、現地での女性起業家の活躍が伺えます。申込はインターネットで行うことが出来、融資金は、クレジットカードで支払うことが出来ます。融資したい起業家を業種や性別などを指定して検索、写真や説明文(日本語)で確認した上、融資先を自分で選択して融資することができます。通常の寄付のような「何に使われたか分からない」ということはないのが特色のひとつといえます。
一口25ドルからの融資金は、返済されたら、また、新たな融資希望者へと貸し付けることも出来ます。融資希望者の国籍は、フィリピン、ケニア、ペルーなど多岐に及んで、業種も様々です。
少額でも国際貢献ができる、融資元になってみたいとお考えの方は、一度、ご覧になってみてはいかがでしょう?

閉じる