中小企業の設備投資に便利な、マル経融資が変わる?

商工会議所などで経営指導を受けている小規模事業者が、経営改善を目的として、利用することの出来る貸付制度がマル経融資です。商工会議所からの推薦があり、かつ、一定の要件を満たす小規模企業であれば、運転資金、または設備投資の使途目的用の資金に限って、最大で1500万円までの融資を、保証人なし、無担保で国民生活金融公庫から受けることができると言うものです。公的融資であるため、金利も安く、返済にも各種の特例が設けられています。「マル経融資」というのは愛称で、正式名称は「小規模事業者経営改善資金融資制度」といいます。
今般の東日本大震災の被災企業に関しても、マル経融資の貸付用件に加えて被災証明書の提出が可能な企業であれば、最大2500万円までの融資を受けることができる「復興マル経融資」という制度も登場しています。
マル経融資の制度そのものは、高度成長期に、中小企業を資金面で援助することを目的に創設され、永らく銀行からの融資が難しい、小規模企業の資金繰りを下支えしてきました。しかしながら、創設から30年以上が過ぎて、現在の社会情勢とはそぐわないところが出てきました。このため、近年、融資申し込みが減少傾向となってきていることもあり、政府、経済産業省・企業庁は、2012年6月20日付けで、このマル経融資の抜本的見直しと同時に、小規模企業者等設備導入資金制度の廃止を行い、2013年度からは新たな、小規模企業向けの融資制度を導入する考えを発表しました。
新しい小規模企業向けの融資制度では、企業の成長志向や、地元密着型経営などの、志向性や企業としての成長段階に着目し、円滑、かつ潤沢で利用しやすい融資の形態を提供することを目的としています。地元への還元を目指す地域密着型企業には貸し付け期間を延長sルナどの特別措置の導入も検討されています。
近年農業の法人化など、従来にはなかった動きを含めて、利用者の範囲が拡大する可能性もあり、今後の法整備や、制度の改革など動向が注目されています。

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