ブラックでも借りられる?「融資保証人制度」の危険性
消費者金融からの借り入れに滞納や、延滞などがあって、多重債務状態である場合や、過去に自己破産などで免責となって信用情報が思わしくない場合を、俗に「ブラック・リスト」「ブラック」などと呼びます。消費者金融の融資は、基本的に無担保融資であって、人的担保(保証人など)も、物的担保(不動産など)も、必要としない代わりに、融資希望者の返済能力を最重要の審査基準としている傾向があります。従って、過去に思わしくない返済状況の履歴がある人物人ついては、新たな借り入れを制限したり、審査を通さないなどの方法で、貸付を断ってくる場合があります。消費者金融からの融資だけでなく、クレジット会社のキャッシング、または、自動車ローンなどの高額のショッピングでも同様のことが言えるでしょう。
それでも、そうしても融資が必要であるという場合、消費者金融でも、保証人をつけることを条件にして貸付を認めるケースがあります。しかしながら、既に多重債務状況であるような利用者だと、早々簡単に保証人になってもらえる人を確保できるはずも無いのも、また、現実です。そうした状況を見越してか、近年「融資保証人紹介」「保証人代行」という奇妙な商売が台頭しています。ブラックリスト入りしている人が、新たな貸付を希望する場合の保証人を有料で紹介するという広告で、5万円程度~融資額の15%程度の紹介手数料を請求して、保証人を引き受けるというものです。
一見、ありがたい話のように思われますが、実際は「お金を振り込んだのに、保証人の紹介がされなかった。」などのトラブルや、高額の報酬を請求される例などの被害が続発しています。このため、「保証認証開業問題被害者の会」まで、既に発足しており、全国規模での被害者救済活動が展開されています。銀行側も同会の要請に協力して、被害のあった振込先の口座取引を差し止めるなどの対応も行われるなど、事態の深刻さをうかがわれる状況です。
冷静に考えてみれば、連帯保証人や保証人は、非常に責任の重い立場であって、数万円の金額で一面識も無い他人の保証を引き受けられるとは考えにくいでしょう。また、仮に保証人を紹介してもらえて融資を受け取ることが出来たとしても、その後、保証人を引き受けた方が氏名や、財産状況などについて虚偽の申告をしていた、などのトラブルがあった場合、融資を受けた、あなたが詐欺罪に問われて一括の返済を迫られる可能性も否定できません。こうした「紹介業」は、困っている人の弱みに付け込むような商売であって、利用はしないほうが賢明です。